のんびり経営

田舎者の経営者が普段思ったことをダラダラと語ったりしてみたブログです。普段の生活で思う疑問、不思議、仕事について思うこと、等々を勝手な主観で書きなぐっています。お暇があればぜひ。 ◎主なテーマ:経営/仕事術/日常の疑問/

挫折からの再起~【1人の人間が辞職をするまで】Vol.01~

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*この記事は私の体験を着色、創作を極力省き、ありのままを書いています。経緯を詳しく知りたいお暇な方は先に下記の記事を見ていただけると幸いです。
【1人の人間が辞職をするまで】Vol.00 ~まずはじめに~
https://shinovu.hateblo.jp/entry/2019/01/02/120000

私は当時、精神的に疲弊しきっていた。
崩壊とまてまはいかないものの人間不信に近い状態で感情は無くなっていた。

勤めていた会社を退職、しかも辞め方がなかなかヘビーだったのもあって
私は人生で初めて失敗というものを経験したのだと感じていた。

それまでの人生では
学校でのテストの点数の低さや友人関係のいざこざ
アルバイト経験時のミス等
割かし不器用ではあったし、他者から説教をされることも多々あったが
そんなことは失敗だなんて考えたことはなかった。

そんな私にとって会社を辞職するということは人生で初めて体験する
取り返しのつかない大きな失敗に感じていた。

地元に帰ってきたとき
両親は多くを聞かず、一言だけ
とにかく少し休めと言ってくれた。

改めて考えると気遣ってくれていたのだろうと思う。

辞職して帰ってきた初日は一睡も出来なかった。家族と会話すらまともに出来ず、ただただ時間が過ぎていった。

見かねた母親が
気分転換にDVDでも借りてくれば?
と声をかけた。

特に観たいものなんか無かったが
別にやることがあるわけでも無かったので、声にならない返事をして
私は近所のレンタルショップに向かった。

棚に並ぶDVDを前に呆然と立ち
物色するわけでもなくただ時間だけが過ぎていた。店員からはさぞ不気味に映っていただろう。

そんなとき、ふと声をかけられた。

「ここにいたか」

振り返るとそこには肩で息をしながらある1人の男性が立っていた。

辞職した会社の同僚だった
真辺さん(仮名)だった。

なんで?と思った私を
「ちょっと話さないか?」と真辺さんは半ば強引に外に連れ出した。

車に乗り、目的もなく走る車内で
真辺さんは私にいろいろ話しかけてくれた。

いろいろ大変だったな
飯は食べたか?
ちゃんと寝れたか?
何か困っていることはないか?

有り難かった。
真辺さんとは地元の部署にいる際に一緒に同じ部署で働いていた仲間で
仕事の合間によく遊びに行っていた。

私が会社を辞めたと聞いて
もしかしたら今まで一緒に行ったことがある場所に私がいるのではないかと探してくれていたようだった。

真辺さんはいろいろ話しかけた後
レンタルショップまで戻り、別れ際こう言った。

「今は何も考えなくて良い。とにかく休めば良いし、また友人として気軽に遊びに誘ってくれ」

正直、泣きそうになった。

会社で何も手に入れることが出来ず、ただただ失敗したと感じていた私は
本当はとても大切なものを手に入れていたのだと改めて気付いた。

私がまた社会に復帰出来たのも
真辺さんのおかげだと思っている。

今ではいろいろ事情があって連絡を取らなくなってしまったが
このときの感謝の気持ちを
私は忘れたことはない。


次回へ続く


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